永住許可・永住ビザの申請と税金・保険料の延滞
永住申請の一般的な要件 General Conditions of Permanent Residence
永住許可申請については、他の在留許可・ビザの申請などと異なり入管法にわざわざ許可の条件が規定されています(他のビザでは法務省令に委任されたりしています)。
それだけ厳格に許可条件を取り扱うというのが法律の考え方なのだと言うことができます。
入管法の定める許可条件は次の3つです。なお「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」のビザを持つ方は、1だけ、難民認定を受けている方は1と3が要件とされ、緩和されています。
- 素行が善良であること
- 独立の生計を営むことができる資産または技能を有すること
- その永住が日本国の利益に合致すること
それぞれ、抽象的な表現です。具体的な条件とまでは言うのは難しいかもしれません。そこで法務省は「ガイドライン」を公表して、具体的に何を審査するのかについての指針を示しています。
永住許可要件のポイントをガイドラインで見てみる(これまでのガイドラインから)
これまでのガイドラインは平成29年4月に改訂されたもので、次の通りとされていました。
1.法律上の要件
(1) 素行が善良であること
- 法律遵守
- 社会的に非難されない日常の生活態様
(2) 独立生計を営みうる資産または技能を有すること
- 「公共の負担」にならない日常生活
- 資産または技能から将来の安定生活が見込めること
(3) 永住が日本の国益に合致すること
- 原則として継続して10年以上日本に在留し、そのうち「就労資格」ビザまたは「居住資格」ビザをもって5年以上在留していること
- 罰金刑・懲役刑を受けておらず、納税義務等公的義務を履行していること
- 現在の在留ビザの法定最長在留期間をもって在留していること(当面は、3年の在留期間を有する場合、この要件はクリアしているとされます。)
- 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
2.原則10年以上の在留に関する特例
- 日本人・永住者・特別永住者の配偶者・・・実体を伴う結婚生活が3年以上継続し、かつ継続して1年以上日本に在留していること
- 「定住者」ビザをもつ場合・・・継続して5年以上日本に在留していること
- 難民認定を受けている場合・・・認定後5年以上継続して日本に在留していること
- 外交・社会・経済・文化などの分野で「我が国への貢献」を認められる場合・・・5年以上日本に在留していること
- 「地域再生法」の定める地域再生計画に明示された機関において、高度の知識を必要とする研究、研究指導または教育に関する職業(合わせて関連事業の運営を行うことも含みます。)、或いは人文、社会または自然科学の知識または技術を要する情報処理に関する職業にあり、「我が国への貢献」を認められる場合・・・継続して3年以上日本に在留していること
- 「高度専門職」に関するポイント計算において70点以上を有する場合、次の何れか・・・ア.ポイント70点以上を有する「高度人材外国人」として継続して3年以上日本に在留していること/イ.継続3年以上日本に在留し、申請3年前を基準に「高度専門職」のポイント計算を行っても70点以上を有すると認められること
- 「高度専門職」に関するポイント計算において80点以上を有する場合、次の何れか・・・ア.ポイント80点以上を有する「高度人材外国人」として継続して1年以上日本に在留していること/イ.継続1年以上日本に在留し、申請1年前を基準に「高度専門職」のポイント計算を行っても80点以上を有すると認められること
「我が国への貢献」というワードが出てきました。これが何を指すかについても、別のガイドラインが定められています。
ガイドラインが改正されました。
平成31年4月の入管法改正による「特定技能」ビザの新設に合わせて、永住許可に関するガイドラインが、令和元年5月31日に改訂されました。
改訂の対象は上記の(3)の「国益要件」の一部です。以下に改訂部分のみ記述します。
変更前
(3) 永住が日本の国益に合致すること
- 原則として継続して10年以上日本に在留し、そのうち「就労資格」ビザまたは「居住資格」ビザをもって5年以上在留していること
- 罰金刑・懲役刑を受けておらず、納税義務等公的義務を履行していること
変更後
(3) 永住が日本の国益に合致すること
- 原則として継続して10年以上日本に在留し、そのうち「就労資格」ビザ(「技能実習」ビザと「特定技能1号」ビザは除く。)または「居住資格」ビザをもって5年以上在留していること
- 罰金刑・懲役刑を受けておらず、公的義務(税金、年金と保険料の納付義務、入管法に定める届出などの義務)を適正に履行していること
変更点のポイントを解説
新設の「特定技能」ビザのうち、「特定技能1号」ビザについては、5年を超えて更新できないビザとして制定されており、「永住許可申請」の条件から外すことを明示したものと言えます。
「技能実習」について、これまで明示はされていませんでしたが、非熟練労働者を対象とするビザという性格から、永住申請の対象にはなりづらいことを、今回改めて明示したものと言えます。
「公的義務の履行」については、近時政治問題・社会問題化しつつある外国人(日本に住む方、旅行者何れも含みます)による「健康保険料未払い・高額の健康保険金支出」の問題を念頭におくものと考えられます。
今回の改訂案では、「公的義務」の内容として、税金・年金保険料、健康保険料などの納付と入管法上の手続義務が主たる対象と明示されました。
また、単なる「履行」から「適正な履行」に文言も変更されています。過去に未払いがあれば、その後支払いを行ったとしても、永住許可を取得できる可能性が低くなることも予想されます。
まとめ
永住許可をどうやっって取ることができるかについて、これまでは「継続在留年数」と「年収」条件のクリアが最も重要視されてきました。
今後は、税金や保険料を延滞などなく収めてきたか、その実績も合わせて求められるかもしれません。
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