在留外国人の転職と在留ビザ

日本で仕事ができる在留資格、ビザは?

外国人が日本で生活するためには、「在留資格」(通常、ビザと呼称されていますが、以下正式名称の「在留資格」で記述します。)の許可を得る必要があります。在留資格には現在29種類のものがあります。これら全てについて、日本での仕事をすることが認められているわけではありません。

どの在留資格の許可を得れば、仕事ができるのでしょう?

まず、「永住者」です。これは、在留資格の中で、仕事に限らず、最も制限の少ないものです。

次に、いわゆる配偶者ビザです。正式には「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」です。

そして、「定住者」も仕事をすることが認められています。

これらの4種の在留資格は、対象となる外国人の「身分や地位」を要件として、許可が認められる性格のもので、通常「居住資格」と呼ばれています。

「居住資格」の許可を得たものは、原則として、自由に仕事に就くことが許されています。

「居住資格」以外の在留資格を「活動資格」と呼びます。日本国内で認められた活動(職業などです。)に関して在留資格を認められるものだからです。

「活動資格」は、25種類に分かれます。さらに、「就労資格」「非就労資格」に分けることができます。

仕事に就くことができるのが、「就労資格」で、原則として仕事に就けないのが、「非就労資格」です。

「就労資格」の許可を得た場合でも、「居住資格」と異なり、許可された活動=職業以外の仕事に就くことは許されません。

「転職」する場合に注意が必要な「在留資格」は?

ここでは、まず何をもって「転職」というのか確認しておきます。

通常、転職という場合、勤め先を辞めて、新たな勤務先に入ることを言います。即ち、従前雇用契約などに基づいて勤務していた会社や団体などとの契約を終了させ、別の会社や団体などと新たに雇用契約などを結び、そこでの勤務を開始することです。これが典型的な「転職」でしょう。

つまり、いわゆる被用者原則的にはその対象となるということになります。では、いわゆる自営業者や経営者の場合はどうなのでしょうか?

自営業者営む事業を変更したり、経営者役員をつとめる会社変更させる場合もここでは「転職」に含めることとします。

それでは、どんな「在留資格」について、「転職」について、注意を要するのでしょうか?

まず、「居住資格」に該当する在留資格の許可を得ている場合には、上述の通り、原則自由に職業が選択できることことから、転職に際し、事前に許可が必要とされたり、届出が義務付けられていたりする訳ではありません。

注意を要するのは、「就労資格」の許可を得ている場合です。「非就労資格」については、そもそも原則仕事には就けないので、対象外となります。

「転職」には、許可が必要な「在留資格」とは?

「就労資格」は、現在20種あります。その内、いくつかのものについては、「勤務先」「雇用契約等締結先」「役員となっている先」などがそもそも「在留資格」と強く結び付いているので、「転職」するためには、事前に在留資格変更許可が、理論上或いは実質的に必要となると考えられます。具体的には次のものです。

「外交」・・・典型的には、大使館や領事館など外交官やその家族です。これらが在留資格変更許可などなしに転職することは通常認められません。

「公用」・・・日本と正式な国交のない国・機関の構成員やその家族です。外交と同様です。

「宗教」・・・外国の宗教団体から派遣される宗教家のための資格です。在留資格変更許可なしに、他の宗教団体に転職することは通常認められません。

「報道」・・・海外の報道機関からの特派員のための資格です。原則として、在留資格変更許可なく報道機関を変えることはできないでしょう。

「高度専門職1号」・・・許可される活動=職業が、「法務大臣が指定する本邦の公私の機関」でのものと法律で規定されており、勤務先や運営する会社などの変更にも許可が必要と考えられます。(※なお、「高度専門職2号」については、この制約はありません。)

「企業内転勤」・・・外国にある会社や団体の日本国内事務所への転勤者のための資格です。所属する会社や団体を変更するためには、在留資格の変更が必要です。

「技能実習」・・・許可された技能実習計画に基づき認められる資格です。技能実習計画を離れて新たな職業に就くためには、在留資格変更許可が必要です。

「特定活動」・・・法務大臣が個々の外国人ごとに活動を指定する資格であり、指定された活動内容に従い、判断する必要があります。

許可を必要としない「転職」

上述したもの以外の在留資格については、許可された在留資格について認められる活動=職業の範囲内で、在留資格変更許可を得ることなく、転職することが出来るとされています。

但し、許可された在留資格について、一般的に認めらる職業であれば、どの様な職業にでも就けるという訳ではありません。

「技能実習」を除いて、もっとも対象在留外国人の数が多い「技術/人文知識/国際業務」について説明します。

「技術/人文知識/国際業務」という在留資格は、人文・社会・自然各科学分野の技術・知識を必要とする業務や外国文化に根差した思考や感受性を必要とする業務に従事する外国人に許可されるものです。

具体的には、多くの場合、以下の2つの要件をクリアしたとして、許可されるものです。

  1. 国内外の大学(もしくは国内の専門学校)を卒業した外国人が、専攻科目と関連する業務を目的とする職業に就くこと
  2. 国内外の大学を卒業した外国人が、翻訳・通訳・語学指導の業務を目的とする職業に就くこと

例えば、大学で経済学を専攻し卒業した外国人が日本企業で財務や経理部門に勤務すること、或いは、大学で機械工学を専攻して卒業した外国人が日本企業の技術系の部署に勤務すること、などが許可を受ける可能性がある訳です。

これらの場合、何れも在留資格は、「技術/人文知識/国際業務」となります。

それでは、機械工学を専攻し、技術職にある「技術/人文知識/国際業務」を許可された外国人が、他の企業の財務部門に転職することは、在留資格変更許可なしに認められるのか?

これは必ずしも認められる訳ではありません。この場合あくまで、大学で専攻した機械工学に関連する職に就くのでなければ、在留資格変更許可なしには転職が認められないとされるおそれがあるからです。

なお、大学の専攻科目と業務の関連性は比較的緩やかに判断されるとされていますので、あまり厳密に前職と同じ職種への「転職」だけが可能とまで考える必要はありません。(この在留資格は、「技術」と「人文知識/国際業務」が統合されてできたものなので、「技術」と「人文知識」の壁、すなわち「理系」と「文系」の壁を越える様な転職は認められないと考えておくことが必要でしょう。)

一方で、国内の専門学校を修了し専門士の学位を取得したこと、或いは法務大臣が指定するIT関連の資格の保有に関する資料を提出したことで、この資格を許可された場合には、それらの学位や資格との関連性は厳密に判断されるとされますので、原則として同じ職種への「転職」でなければ許されないと考えておく必要があるでしょう。

「転職」の適法性を確認できるか?

「就労資格」を許可された在留外国人が、「転職」した場合に、それが許可を受けている「在留資格」において許されるもの、即ち在留資格変更許可なしに認められる「転職」なのか、どうかを如何に確認できるのでしょうか?

実際には、下述する報告書の提出を除いて、新旧の勤務先との手続さえ行うことが済んでしまえば、「転職」は完了してしまいます。その「転職」の適法性の確認手続が取られる訳ではありません。

とはいえ、「就労資格」については、「高度専門職2号」を除いて、在留期間が定められており、期間を超えて日本での勤務を継続するためには、期限前に在留期間更新許可申請を行い、許可を得る必要があります。

もし、先の「転職」が本当は、在留資格変更許可が必要なものだったと判断され、更新が許可されなかった場合には、最悪帰国を余儀なくされてしまいます。

この様なリスクを回避するための手段として、「就労資格証明書」の交付を受けておくことがあります。

「就労資格証明書」は、「出入国管理及び難民認定法」では、「行うことができる収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を証明する文書」と規定されています。この記述からは、必ずしも、「転職」した先の仕事が在留資格に合致したものかどうかまでを具体的に証明するものではないとも考えられるかも知れません。

しかしながら、申請実務上は、申請者=在留外国人が制定様式に従って、申請書に具体的な活動内容=職務内容を記載して申請を行い、当該活動を申請者が行いうると判断された場合には、申請書記載の活動内容=職務内容を行いうる活動として記載した証明書が発行されることとなっています。

即ち、在留資格変更許可を受けずに、転職した場合でも、「就労資格証明書」の交付を受けておけば、在留期間更新許可を受けられないというリスクを事前に軽減することが出来る訳です。(もちろん、「就労資格証明書」の交付が、在留期間更新許可を保証してくれる訳ではありません。)

「就労資格証明書」の申請手続も、もちろん当事務所でも取り扱っています。

「所属機関」に関する届出

「転職」に際し、留意すべきなのは、在留資格変更許可の有無の判断だけではありません。

「出入国管理及び難民認定法」は、特定の在留資格に関して、在留外国人が活動を行ったり、雇用契約などの契約を結んでいる会社や団体など(同法では、「所属機関」と称しています。)に関して、名称・所在地の変更、消滅、それら機関からの離脱・移籍、契約の終了・締結があった場合に、それらが生じた日から14日以内に、所定の報告書での届出を義務付けているからです。

「就労資格」については、「外交」「公用」「芸術」「宗教」「報道」「特定活動」を除いて、許可を受けた在留外国人はこれらの義務を負うことになります。

もし怠った場合には、在留期間更新許可申請の審査に影響する可能性はもとより、永住許可申請を行う場合には、その審査上より大きなマイナス要因となるおそれがあるでしょう。

所属機関(所属(活動)機関、所属(契約)機関)に関する届出は、出入国在留管理庁のサイトから、複数の言語で行うことが可能です。

We can apply to any immigration office throughout Japan via online visa application!

Apply for Permanent Residence
Change or Extension of Your Visa
Obtaining of a Certificate of Eligibility

Mobile: 090-6188-1648
Email: nihonbashiprime@gmail.com

You can contact us via WhatsApp or Telegram
@ +81 90 6188 1648