永住許可・永住ビザ・永住権、そのメリットと許可条件

なぜ永住許可を取るのか? そのメリットは? merits of permanent residence in Japan

永住許可をえるとは、どういうことなのでしょう?

入管法では、永住許可について、他の「在留資格」に関する手続と区別して規定されています。

永住許可申請を原則、「在留資格の変更」としてのみ認めているのですが、通常の「在留資格の変更」を第20条で規定し、「永住許可」だけを第22条で規定しているからです。

とはいえ、「永住者」もビザ・在留資格であることに変わりはありません。入管法が列挙して規定している「在留資格」の中で、「留学」や「技術・人文知識・国際業務」、「永住者の配偶者等」などと並んで「永住者」として規定されているからです。

それでは、「永住者」は、他のビザ・在留資格と比較して、どの様に異なるのでしょうか?

まず、これから日本に来て生活しようとされる外国の方がいきなり取得することは認められていません。

日本に来てそれなりの期間を経て、一定の条件を満たした外国の方が、ビザを変更することで取得できる訳なのです。(永住者の新生児はビザ取得時に「永住者」ビザを申請できるなどの例外はあります。)

次に、在留期間に制限がありません。原則いつまでも日本で生活することができます。在留期限に「在留期間更新許可申請」をする必要はないのです。更新できなくて帰国を余儀なくされる、そういうことはないのです。

「高度専門職2号」という、在留資格・ビザをもつ場合も在留期間に制限はありませんが、「活動」に制限があります。仕事を自由に選べるのですが、「活動資格」なので無職でいることは出来ないのです。

「永住者」には「活動」にも制限がなく、仕事・職業を自由に選べるのです。無職で居てもかもいません。

この点は、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」等と同じですが、これらの在留資格・ビザには在留期間があり、それを超えて日本で生活するには「在留期間更新許可」を得る必要があります。

永住者には、在留期間の制限がないので、その必要がないのです。

永住許可を取れば、この後在留に関する申請手続を行うことはまずなくなります。(ビザであることに変わりないので、取消対象であることにも変わりありませんが、通常の市民生活を行っているなら問題にならないでしょう。)

在留期間や活動が無制限なだけでなく、実生活においても、住宅ローンなどを審査を通りやすい、採用されるときにも有利である可能性があるなどの目に見えないメリットがあると言われています。

永住と帰化はどう違うのか?

「永住」と「帰化」はどう違いのでしょうか?

「帰化」は、申請手続きによる許可を経て「日本国籍」を得ることです。届出による「国籍取得」もありますが、これは特定の要件を充たす場合に限られます。

「帰化」すれば、日本国民となるので、日本国民としての権利は当然認められます。選挙権・被選挙権も得ることができます。

「帰化」して、「日本国籍」を取得すれば、他の国籍を取得しない限り、「日本国籍」を失うことはありません。但し、元々の国籍については、それを失うことが「帰化」の条件とされており、保持は許されていません。

一方、「永住」の場合、国籍は変わりません。母国に帰ることも、自由なはずです。

但し、日本で選挙権・被選挙権をもつことはできません。ビザであることには変わりないので、取り消されれば帰国する必要が生じる可能性はゼロではありません。

「永住許可」を得るための条件は?

入管法が規定する「永住許可」の要件は次の通りです。

  1. 素行が良好であること
  2. 独立の生計を営める資産または技能をもつこと
  3. 日本国の利益に合致すると認められること

日本人・永住者・特別永住者の配偶者・子は、1・2は不要、3だけが要件とされます。難民認定を受けた者は、2が不要で、1・3が要件です。

それぞれの要件を確認してみましょう。

「素行良好」とされるためには?

次の何れにも該当しない者とされます。

  1. 日本国の法令に違反して、懲役・禁固・罰金に処せられたことがある者、但し、刑の消滅の規定の適用を受ける者、または執行猶予の言渡しを受け、それが取り消されることなく、執行猶予期間を経過して、そこから更に5年経過した者、この2つの何れかに当たれば対象外です。
  2. 少年法による保護処分が継続中の者
  3. 日常生活または社会生活において、違法行為や風紀を乱す行為を繰り返し行うなどの素行善良と認められない特段の事情のある者

これらから、「素行良好」とされるには、刑事罰・保護処分を受けた者・その他の違法行為や不適切行為が常態化している者は認められないという要件と言えます。逆に通常の日常生活を送っていれば、この要件が認められないことはないでしょう。

「独立の生計」とはどの様なこと?

次の何れにも当たることが必要とされています。

  1. 日常生活において、公共の負担とならないこと(生活保護を受給していたりするとこれに該当しません。)
  2. 職業または資産から将来の安定生活が見込めること

「独立の生計」は申請者個人でなく、世帯単位で認められれば足りるとされます。

収入については、一定の要件が必要とされると考えられています。基準が明示されている訳ではないのですが、およそ一人暮らしで年収300万円、家族1人ごとに+60万円が相場とみなされています。

「日本国の利益」に適うとは?

この要件が一番わかりにくいかもしれません。法務省が定めるガイドラインなどから、およそ次の要件を何れも該当することと解されています。

  1. 原則として、継続して日本国内に10年以上在留していること、但し、その10年以上の内、就労資格ビザまたは居住資格ビザをもって5年以上継続して日本に在留しているまたは在留していたこと
  2. 懲役刑や罰金刑を受けておらず、納税等公的義務を履行していること
  3. 現在もっているビザについて、法定の最長の期間で在留していること(当面3年以上の期間で在留すればよいとされています。)
  4. 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
  5. 著しく公益を害する行為をするおそれがないこと
  6. 公共の負担となっていないこと

2の要件は、「素行良好」とも重なる点もあります。6の要件は「独立生計」とも重なります。法令違反・公的義務の履行・公共の負担とならないというのは、永住を認めるのであればある意味当たり前のものかもしれません。

4・5の要件は、およそ一個人としての通常の生活をおくっていれば、該当することを想像することは難しいかもしれません。

その意味で、実施的には、在留期間に関する要件、とりわけ1の「継続在留」の要件が重要となります。

「継続在留」の条件とは?

原則は次の通りです。

  1. 継続して日本に10年以上在留していること
  2. 上記1の「10年以上」のうち、「就労資格」ビザまたは「居住資格」ビザで5年以上在留していること、または在留していたこと

重要な点は、継続の「在留」が条件で、通算ではないことです。そして、申請時にも「継続中」であることが必要です。

「就労資格」ビザは、仕事ができるビザですから、「留学」ビザや「家族滞在」ビザは含まれません。「居住資格」ビザは日本人や永住者の配偶者・子のビザ、「定住者」ビザなどです。

なお、この条件には、いくつかの特例が認められています。一部を以下の通りご紹介します。

  1. 日本人・永住者・特別永住者の配偶者・・・実態を伴った婚姻生活が3年以上継続していて、継続して1年以上日本に在留していること
  2. 日本人・永住者・特別永住者の子・・・継続して1年以上日本に在留していること
  3. 「高度専門職」ビザの基準となる「得点表」で70点以上のポイントがある者(次の何れか)・・・「高度人材外国人」として、継続して3年以上日本に在留していること/継続して3年以上日本に在留していて、かつ申請3年前に70点以上のポイントがあったこと
  4. 「高度専門職」ビザの基準となる「得点表」で80点以上のポイントがある者(次の何れか)・・・「高度人材外国人」として、継続して1年以上日本に在留していること/継続して1年以上日本に在留していて、かつ申請1年前に70点以上のポイントがあったこと
  5. 「定住者」ビザで在留する場合・・・「定住者」ビザ取得後、継続して5年以上日本に在留していること

この他にも特例はありますので、個別にご照会下さい。

どんな書類が必要か?

「出入国管理及び難民認定法施行規則」によって定められた、永住許可申請に必要な書類は次の通りです。

  • 申請書1通
  • 写真1葉(16歳未満は不要)
  • 素行が善良であることを証する書類
  • 独立の生計を営むに足りる資産又は技能があることを証する書類
  • 本邦に居住する身元保証人の身元保証書
  • その他参考となるべき資料

具体的には、申請される方の「在留資格」ごとに、出入国在留管理庁のホームページなどに記載されていますが、当事務所に依頼いただいた場合、必要書類の準備について漏れなく対応いたします。

永住許可を希望する理由書の作成がハードルの1つですが、申請人の個別のご事情や在留歴などをお訊きした上で、ドラフトを準備いたします。

英語で対応させていただく場合は、英文と日本語訳を準備します。

まとめ

永住許可申請の許可の条件は、まず、「平穏」で「健全」な生活を日本国内で送っており、今後も見込めることが必要です。「法令違反」や「公的義務」「公租公課支払」の不履行がないことが前提です。

そして、日本国内で「継続」して在留していることが必要です。原則10年以上の在留が必要です。

なお、10年に至らない場合も、特例で申請できる場合があります。

疑問やお悩みがあれば、お気軽に当事務所にご相談下さい。

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