「配偶者ビザ」で、離婚した後も日本で生活?「離婚定住」ビザとは?
「配偶者ビザ」とは? What is a Spouse Visa ?
在留ビザには、仕事や日本国内での活動の従って許可される「活動資格」ビザと身分や地位に対して許可される「居住資格」ビザの2種類があります。後者の「居住資格」ビザは原則として仕事を自由に選ぶことができることから、日本で暮らす外国の方にとってはよりも有利なビザと言えるものです。(なお、「活動資格」ビザのをもって日本に暮らす外国の方の配偶者や子に許可される「家族滞在」ビザは、仕事は原則できないビザで「活動資格」ビザの1つとされます。「居住資格」ビザとは異なるので注意が必要です。)
「居住資格」ビザの中心にあるのが、「永住者」ビザです。永住許可を受けると、仕事に制限はなくなり、在留期限もなくなりますので、特別な「地位」と見なされるということなのでしょう。実は、短期滞在を除く中長期の在留外国人のうち、最も多いのが「永住者」ビザをもつ人なのです。一旦取得すれば、大抵は帰国しないので絶対数が多いとも言えるでしょう。
「身分」の地位としての典型的「居住資格」ビザと言えば、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」ということになります。
日本人、永住者(及び特別永住者)の配偶者もしくは子がその対象です。「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」何れのビザも仕事を原則自由に選択できるので、うがった言い方かもしれませんが、「人気のビザ」と言ってもいいかもしれません。
特に、「配偶者」としてのビザは、かつては形式的に結婚のかたちを取ることで取得出来たので、「偽装結婚」による取得が事件となり、社会問題となったこともあります。(子供のビザについては、親子関係を「形式的に」調えることは難しいので、それほど問題とはなっていません。
ここでは、配偶者の身分に基づく、「日本人の配偶者等」ビザまたは「永住者の配偶者等」ビザを「配偶者ビザ」とします。
「配偶者ビザ」の審査が、上記の社会問題を受けて、厳格化されていることについては、別のページで説明しています。
「配偶者ビザ」にも、実は不安が・・・
身分や地位に対して許可される「居住資格」ビザについても、「永住者」ビザ以外は5年以内の在留期間があります。在留期限に更新許可を受けなければ、引き続き日本で生活することはできません。
子供のビザであれば、それほど問題はないかもしれません。親子仲が悪くなっても親子関係がなくなることはありません。(特別養子の場合はあり得るのですが、ここでは詳しく論じません。)
「配偶者ビザ」については、夫婦仲が悪くなれば、離婚ということもありえます。離婚してしまった場合、ビザの更新も出来なくなります。
実は「配偶者」ビザについては、上記の「偽装結婚」の問題に関連して、ビザ取得をするためには、形式的に婚姻関係にあるだけでは不十分で、実際に正常な結婚生活を送っていることも必要で、原則として同居している必要があるとされています。
結婚は継続していてても、別居状態にあったりすると、ビザの更新が許可されないこともあり得るのです。
問題となるのは、ビザの期限更新だけではありません。期限前においても、たとえ形式的には結婚を継続していてても、別居状態が6ヶ月以上続けば、ビザ取消しとなるおそれもあるのです。(なお、実質的に結婚生活にを6ヶ月以上送っていないことなどを理由に「配偶者ビザ」を取り消されたとしても、入管法は「在留資格変更許可申請」または「永住許可申請」の機会を与える様規定しています。)
もし、離婚してしまった場合には When you have divorced
「配偶者ビザ」をもって日本で生活する方が、離婚した場合、「配偶者ビザ」の期限更新は出来なくなり、ビザの期限前でも取り消されるリスクがあります。
もし、離婚を機に母国に帰国されるのであれば問題ではないでしょうが、日本で仕事を持っていたり、それなりの社会基盤を築いているような場合には、直ぐに帰国するという訳には行かないこともあるでしょう。
そんな場合、「配偶者」ビザから他のビザに変更することにより、日本での生活を続けることが出来ればそれに越したことがありません。
もし、仕事をもっているのであれば、その職業に見合った就労ビザへの変更が出来れば、日本での生活を継続できるでしょう。
但し、仕事に就いているからといって、就労ビザの許可基準をクリアできるとは限りません。
最もポピュラーな「技術・人文知識・国際業務」ビザについて、大学卒業もしくは専修学校の専門課程を修了し専門士・高度専門士の学位をもっていれば、専攻科目と職業との関連性があれば許可基準をクリアできますが、学歴要件を充たしていなければ、10年以上の実務経験のが必要となります。
「技能」ビザでも、10年以上の実務経験を必要とするものが多く、決してハードルは低くないのです。
それでは、就労ビザへのビザ変更以外に、日本での生活を継続する方法はないのでしょうか?
「離婚定住」としての「定住者」ビザ
そこで、もう一つ検討できる方法として、「離婚定住」としての「定住者」ビザへの変更があります。
「定住者」ビザは、入管法では、「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間」を指定して居住を認める者」にあたえられる「居住資格ビザ」です。就労ビザではないので、仕事も自由に選ぶことができます。
具体的にどのような人が「定住者」ビザの対象となるのかについて、法務省が告示という法令でいくつかの類型を示しています。これを「定住者告示」といいます。
「離婚定住」にあたるものは、この「定住者告示」に記されてはいません。実務上、「定住者告示」にない場合においても「定住者」ビザが許可される場合があります。これを「告示外定住」と呼んでいます。
「離婚定住」はこの「告示外定住」として認められる場合にあたるのです。
「離婚定住」といっても、実務では、次の3つのケースが認められています。
- 配偶者として「日本人の配偶者等」ビザまたは「永住者の配偶者等」ビザをもって日本で生活する外国人が離婚後も日本での生活継続を希望する場合
- 配偶者として「日本人の配偶者等」ビザまたは「永住者の配偶者等」ビザをもって日本で生活する外国人が死別後も日本での生活継続を希望する場合
- 配偶者として「日本人の配偶者等」ビザまたは「永住者の配偶者等」ビザをもって日本で生活する外国人が結婚生活破綻後も日本での生活継続を希望する場合
「離婚定住」が許可される条件は?
「告示外定住」である「離婚定住」の許可に関する基準やガイドラインが公表されている訳ではないので、どういう条件で許可されるかは明確とは言えません。
但し、法務省が、「離婚定住」にあたるケースで「定住者」ビザが、「認められた事例」と「認められなかった事例」を幾つか公表しているので、それらから、「離婚定住」として「定住者」ビザが許可されるための「積極要件」と「消極要件」を上げることができます。
「積極要件」
- (前)配偶者との間に日本人または永住者の実子がいること
- 上記実子の親権を有すること、または監護・養育の実績があること、養育費を支払っていること
- 一定の収入があること
- 継続すべき事業を経営していること
- 家庭内暴力を受けていたこと(破綻のケース)
- 相手方が離婚に同意もしくは離婚調停・裁判中であること
- 同居を伴う通常の結婚生活を送ったことが、一定期間以上あること(2年以上)
- 日常生活に支障ない程度の日本語能力を有すること
消極要件
- 犯罪歴があること
- 「配偶者ビザ」取得後、継続的に日本で生活していなかったこと
- 同居を伴う通常の結婚生活を送った期間が、十分ではないこと(2年未満)
- 別居中に風俗店に勤務
- 以前にも離婚歴があること
積極要件のほとんどが備わっていたとしても、「定住者ビザ」の許可を高い確率で得られる訳ではありません。
「消極要件」がある場合、「定住者」ビザ取得が不可能とは言えませんが、相当に難しいと考えます。
まとめ
「離婚定住」の「定住者」ビザは、許可基準などが明確でなく、一定以上の確度をもって、許可の可否が推定できるものではないので、申請の是非の判断が難しいビザです。
とはいえ、「配偶者ビザ」の期限が間もなく到来する場合や、「配偶者ビザ」が取り消されたり、取り消されるおそれがある場合で、他の就労ビザの取得も難しい様な場合には、申請する価値のあるものと言えます。
「離婚定住」の「定住者」ビザを申請する必要のある方、その他ご質問・ご照会については、お気軽に当事務所にお問い合わせ下さい。
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