難関ビザ「経営・管理」の取得方法、財務・金融のプロがサポート

「経営・管理ビザは取得が難しい就労ビザの一つとされます。ビザに適した仕事に就くのか?だけでなく、事業が継続性も問われるからとされます。銀行や財務コンサルティング・ファームでの財務分析・企業価値評価を永年経験してきた行政書士が、「経営・管理」ビザ取得のお手伝いをいたします。

どの様な仕事ができるビザなのか?

「経営・管理」ビザは、平成26年の入管法改正で生まれた比較的新しいビザです。それまでの「投資・経営」ビザを修正したものです。

「経営・管理」ビザも、就労ビザの1つです。就労ビザは仕事の内容ごとに定められており、原則として、定められた種類の仕事にだけ就くことができます。

「経営・管理」ビザについて定められた仕事の内容は次の通りです。

貿易などの事業の経営を行うこと、または貿易などの事業の管理を行うことされます。なお、法律事務所や会計事務所の運営を行う場合、「法律・会計業務」ビザを得て行うべきとされており、「経営・管理」ビザをもって行うことはできません。一方、病院の運営など医師などの免許をもって行う場合でも、ビザは「経営・管理」を取得すべきとされています。

このビザの一番の特徴は、日本国内外の企業や団体に雇用されることを前提としていない就労ビザであることです。

例えば、就労ビザの最も代表的なものとされる「技術・人文知識・国際業務」ビザでは、入管法に「本邦の公私の機関との契約に基づいて」行う活動=仕事であることが前提と規定されています。

必ずしも、同じ文言・表現ではないのですが、大半の就労ビザは雇用先や帰属先(「教授」「教育」ビザの「教育機関」の様なものです。)の存在が前提なのです。

必ずしも、雇用先・帰属先が必要でないのは、「経営・管理」ビザの他では、「芸術」「法律・会計業務」「医療」「興行」ビザですが、事実上「経営・管理」ビザ以外は、雇用先・所属先が前提とされています。

自ら事業の運営することが対象となる仕事の中心であるといえるのは、「経営・管理」ビザだけと言えるのです。

なお、「経営・管理」ビザは、自ら事業を運営する場合だけでなく、管理職として雇用される場合も取得することができます。管理職といっても、グループを任されるだけではなく、経営者に代わって経営に当たる様な職のことです。一般企業での部長、支店長などとされます。

その場合、「技術・人文知識・国際業務」ビザと重なり合うこととなりますが、「経営・管理」のビザが優先的対象とされます。許可基準でもこの点に触れます。

許可されるための基準・条件は?

就労ビザの多くにとっての「許可基準」とされる「上陸許可基準」では、「経営・管理」ビザについては、次の何れにも該当していることとされます。

1.対象となる事業を運営するめの事業所が日本国内に存在すること、但し、事業が開始されていない場合は、事業所として使用される施設がされ日本国内に確保されていること

2.対象事業の規模が次の何れかに該当していること

  • イ.ビザを取得し、経営または管理を行う本人以外に日本に居住する2人以上の常勤職員がいること、但し、就労ビザと非就労ビザのいわゆる「活動資格」ビザをもつ外国人はこれに含みません。
  • ロ.資本金または出資される財産総額が5百万円以上であること
  • ハ.上記のイ.またはロ.準じる規模と認められること

3.事業の管理を職業とする場合、事業の経営または管理について3年以上の経験があり(大学院で、経営または管理に関する科目を専攻した期間を含めることができます。)、かつ、日本人がと同等額以上の報酬を受けること

事業を自ら運営する場合は、1と2が許可基準となります。

事業所が日本国内にあること、もしくは確保されていること、及び事業が一定以上の規模を有すること、これら2点です。

事業規模と言っても、それほど大きなものが要求されていないので、割合簡単にクリアできそうな印象を持つかもしれませんが、この点については以下で述べます。

事業の管理職に就く場合は、1と2に3が加わります。

日本人と同水準以上の報酬という条件は、就労ビザ共通です。

経営・管理の大学院での専攻を含めて経営・管理経験3年以上という点は、「技術・人文知識・国際業務」の許可基準とは異なります。「技人国」では大卒で足りるからです。

日本の企業で大卒以上の外国人を雇用する場合、「管理」と見なされなければ、ビザ取得に大卒以上の条件は必要ではありませんが、部長や支社長として採用するなら、経営・管理の大学院での専攻を含めて経営・管理経験3年以上が必要となります。「経営・管理」ビザが優先的な対象とされるからです。

なお、「技人国」ビザで日本国内の企業に勤務していた外国の方が、内部昇格で部長、支社長などの地位に就いたとしても、直ちに「経営・管理」ビザに変更する必要はなく、ビザ更新時に合わせて変更すればよいとされています。

ビザ申請に必要な書類は?

「経営・管理」ビザの申請に必要な書類は次の通りとされます。

1.次のイからハの資料

  • イ.事業計画書の写し
  • ロ.事業を法人が運営する場合、その法人の登記事項証明書の写し(登記が完了していないときは、事業開始を明らかにする定款などの書類の写し)
  • ハ.損益計算書の写し、またはそれに準ずる書類の写し(事業を開始しようとする場合は不要。)

2.次の何れかの資料

  • イ.本人以外の常勤職員の総数を証明する資料、その数が二人である場合、その二人の常勤職員の賃金支払に関する文書と住民票、在留カード、または特別永住者証明書の写し
  • ロ.資本金または出資総額を証明する資料
  • ハ.その他事業の規模を証明する資料

3.事業所の概要を証明する資料

4.仕事の内容、期間、地位、報酬を証明する文書

5.事業の管理の職に就く場合、職歴を証明する文書、大学院で経営または管理を専攻した期間の証明書

1から3は、運営または管理する事業・企業についての情報を表す資料です。4と5は、ビザを取得する本人のポジション、報酬や個人データの資料です。

「経営・管理」ビザの許可を得るために、これらの資料で、果たして如何なることを立証し、入管当局に納得して貰う必要があるのでしょうか?

「経営・管理」ビザが許可されるために必要なことは?

在留ビザには様々な許可基準が設定されています。就労ビザに多くについては、「上陸許可基準」という「許可基準」が設定されています。これについては、既に説明しました。

在留ビザの許可は、「裁量行為」とされます。許可基準をクリアしたからといって、必ず許可される訳ではないとされます。実務上、この傾向は在留ビザの種類によって、「濃淡」があるとされます。許可基準通りに書類を揃えたらある程度の確度で許可が得られるものとそうでないものがあるのです。

「永住許可」は後者の典型例とされます。審査はある意味ブラックボックスとも言われています。

「経営・管理」ビザも「上陸許可基準」をクリアできる書類を揃えたからと言って、許可がそれなりの確度で得られるという種類のビザではないのです。

それでは、「経営・管理」ビザの許可を得るためには如何なる条件を更にクリアする必要があるのでしょうか?

「上陸許可基準」では対象となる事業の存在・確保と規模とされていました。実質的には以下の条件で「上陸許可基準」の文言より高めの基準で判断がされています。

事業所の存在・確保

ペーパー・カンパニーという言葉を聞いたことがあると思います。会社には本店所在地が必要ですが、住所を登録すれば会社の実体はなくとも会社を設立することができます。

「経営・管理」ビザの「上陸許可基準」では、とりあえず会社が登記されて所在地を示すことができれば十分な様にも読むことができますが、実際には、「事業所の実体」が必要です。具体的には次の2点が必要とされます。

  1. 経営主体が、実際に一定の場所や区画を占めていること
  2. 財貨・サービスの製造・供給を人員と設備をもって継続的に行われていること

具体的には、不動産を所有するのでなければ、建物やテナントを賃貸して、従業員等がいて、オフィスや工場用の設備・備品を備えて、企業活動を行うことが必要とされるのです。

次の様な場合には、事業所の存在・確保が「充分」でないとされるおそれがあります。

  • 短期賃貸借オフィスやいわゆるバーチャル・オフィスの利用・・・ジェトロなどが運営するインキュベーター用オフィスは例外的に認められていることがあります。
  • 住宅の一部を事業所として利用すること・・・貸主の事業利用承諾、独立した部屋の確保、管理費・光熱費等の負担の明確化などが要件とされます。

法令上必要書類として、明示されていませんが、テナントなどを賃借するのであれば、対象物件の不動産登記簿謄本や賃貸借契約の写し、更には見取り図やオフィスなどの現場写真なども準備して提出できる様にしておくことが必要でしょう。

事業規模

「上陸許可基準」では、常勤職員2人以上もしくは資本金5百万円の何れかを充たせば足りるとされます。日本人が事業を起こす場合にはそれほど大きな事業ではないかもしれませんが、外国の方が日本に来て事業を起こすのであれば、限界的な場合もあるかと思います。

そこで、「上陸許可基準」では、準じる場合も合わせて規定しています。

具体的には、例えば、常勤職員が1人だが、更にもう一人の雇用に見合う程度の資金として250万円程度の資金投下がなされている場合がそのようなケースに当たるとされています。

事業の継続性

対象事業の継続性については、「上陸許可基準」に明示されていませんが、これが証明できなければ、許可を受けることは難しいと言うことができます。

提出が義務付けられた次の書類は、「事業の継続性」を証明するものと見ることができます。

  • 事業計画書の写し
  • 損益計算書の写し、またはそれに準ずる書類の写し

通常、企業の財務分析を行う場合、最低3期分以上の決算書を資料とするのですが、提出が要求されているのは損益計算書だけです。(何期分は明示されていませんが、最低2期分必要と理解して下さい。)

ある意味当然ですが、入管のご担当は必ずしも財務のプロではないので、少し形式的に審査される傾向があると言うことができます。このことは審査が緩いというのではなく、逆に厳しいものと考えます。

何故なら、ある特定の基準をクリアできなかった場合、実質的には他の要素でリカバー出来るものであったとしても、その説明について、必ずしも十分にコミュニケートできないおそれもあるからです。

「事業の継続性」判断の基準もある程度は判明しています。それぞれに応じた対応も簡単にご説明します。

まず、利益剰余金の有無、債務超過の有無に応じて、「事業の継続性」を次の通り判断しています。

  1. 直近決算期末に利益剰余金がある場合・・・当期損益黒字であれば、「事業の継続性」に問題なく、当期損益赤字でも原則として「事業の継続性」が認められます。
  2. 直近決算期に欠損金があるが、債務超過ではない場合・・・今後1年間の事業計画書や収支予想の資料を提出させ、「事業の継続性」を確認するとしています。必要に応じて公認会計士などの第三者評価書面の提出を求めるとしています。
  3. 直近決算期に債務超過となっているが、その1期前の決算期には債務超過ではなかった場合・・・公認会計士などの第三者評価書面の提出を求めた上で、1年以内の債務超過解消の見通しがあれば「事業の継続性」を認めるとしています。
  4. 直近決算期・その1期前の決算期も債務超過であった場合・・・増資や第三者の支援策がある場合には、その状況も踏まえ、「事業の継続性」を判断するとしています。

まず、既に決算実績のある企業の経営者や幹部社員のビザを申請するのであれば、通常前もって、交代等の必要性が判明しているはずです。

また、この審査ではバランスシートは見ないで、損益計算書だけで、期末に利益剰余金の有無と債務超過の有無を審査するものです。

利害関係者の異議がなければ、事前に財務上の施策を実施した上で損益計算書を出すべきです。具体的には以下の例の通りです。

  • 過小資本の問題がなければ(事業規模について、資本金5百万円以上の要件の資料を提出する場合で、資本金が5百万円をそれほど超過しない場合です。)、減資を行い欠損金は解消しておくこと
  • 債務超過がある場合、親会社や関係会社からの借入金があれば、デット・エクイティ・スワップにより、ないのであれば増資により債務超過を解消しておくこと

次に損益について、次の様な審査を行うとしています。

  • 直近決算期とその1期前の決算期において、売上総利益がない(売上マージンが赤字)の場合、営業外利益や特別利益で最終の当期利益を確保した場合・・・増資や第三者の支援策がある場合には、その状況も踏まえ、「事業の継続性」を判断するとしています。

正直申しあげて、この場合には、増資や第三者の金融支援があっても、「事業の継続性」があるとは通常は認めがたいでしょう。

問題となるのは、創業時の収支が厳しい時期に、売上を十分に計上できなかった場合です。原因としては、おそらく固定費の相当部分を売上原価に計上している可能性があります。会計士や税理士などとも相談し、売上原価と販売費・一般管理費の配分を見直して、売上総利益=売上マージンはプラスとなる損益計算書を準備すべきです。

以上、「事業の継続性」について、ご説明しました。損益に絞って審査されていることから、可能な限り、財務的施策を事前に施して「望ましい損益計算書」を提出すべきです。これは決して粉飾決算を勧めているものではありません。

事業開始前の場合

事業開始前の場合、損益計算書の提出は不要とされます。だからと言って「事業の継続性」を証明する必要がない訳ではありません。

損益計算書ではなく、事業計画書と事業概要書で、将来の収支の健全性を説明する必要があるのです。具体的には以下の様なものが必要となります。

  • 事業組織図・人員構成図
  • 株主リスト
  • 事業スキーム
  • 仕入先・販売先リスト
  • その他関係者リスト(主要契約締結先、取引銀行)
  • バランス・シート推移予想
  • 収支推移予想

既に決算を行っている事業においても、黒字化出来ていなければ、同様のものが必要でしょう。黒字化していれば、事業組織図と事業スキーム程度で十分でかもしれません。

当事務所にご依頼ください

「経営・管理」ビザの許可の取得には、対象事業の適正性や健全性を示す書類・資料の提出がなければ難しいと言えます。

そのためには、財務や金融の知識・経験をもつ専門家のサポートが必要です。

当事務所に是非ともご依頼下さい。銀行員としての、財務コンサルティング・ファームでの経験を生かして、申請書に添付すべき書類作成を全面的にサポートします。

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